「肩こりはいつものことだけど、なぜか右だけがすごく重い……」
「左側は何ともないのに、右肩ばかりこるのは何か理由があるの?」
こんな疑問を感じている方は、意外と多いのではないでしょうか。
肩こりというと首から左右の肩にかけて重たくなるイメージがありますが、実際には片側だけ強く感じることもあります。特に右利きの方は、マウス操作やスマホ、荷物を持つ動作など、日常生活のさまざまな場面で右側を使う機会が多くなりがちです。
日本整形外科学会では、肩こりには姿勢、長時間同じ姿勢を続けること、運動不足など、さまざまな要因が関係するとされています。
一方で、右肩だけに症状があるからといって「姿勢が悪いだけ」と決めつけるのも避けたいところです。腕や指のしびれ、力の入りづらさ、肩を動かせないほどの痛みなどがある場合には、首や肩関節の問題が関係している可能性もあると言われています。
そこで今回は、肩こりが右だけに起こる原因や考えられる病気、自宅でできる対処法、医療機関へ相談したい目安について詳しく解説します。
引用元:薮下整骨院「首の右側だけに痛みを感じる場合の原因とは?対処法の解説」
目次
肩こりが右だけに起こる主な原因
右だけ肩こりが気になる場合、まず振り返ってほしいのが毎日の体の使い方です。
「特別なことはしていないんだけどな……」
と思う方でも、仕事や家事を細かく振り返ってみると、片側ばかり使っていることがあります。
参考記事でも、首や肩の片側に負担が集中する背景には、筋肉の疲労やデスクワーク、スマホ使用時の姿勢などが関係する場合があると言われています。
右手でのマウス操作やデスクワークが続いている
デスクワークをしている方で最初に確認したいのが、マウスを使っている時間です。
右利きの方の場合、マウスを右側に置き、仕事中は何時間も右腕を前に出した状態になっていることがあります。
一見すると大きく体を動かしていないため負担が少なそうですが、実際には腕を支えるために肩や首まわりの筋肉を使い続けています。
さらにパソコン画面に集中すると、頭が前に出たり、肩が内側に入ったりしやすくなるとも言われています。こうした姿勢が長時間続けば、右肩だけに負担が偏る可能性も考えられるでしょう。
スマホをいつも同じ手で操作している
スマホを見るとき、毎回右手で持っていませんか?
電車の中、休憩中、自宅のソファなど、スマホを見る時間を合計すると想像以上に長くなっていることがあります。
スマホを見るときは画面をのぞき込むように首が前へ傾きやすいうえ、片手だけで本体を支えていると左右の肩の高さにも差が出る場合があります。
「仕事ではパソコン、休憩中はスマホ」という生活が続いている方は、首や肩を休ませる時間が思ったほど取れていないかもしれません。
バッグや荷物を右側ばかりで持っている
通勤バッグや買い物袋を「いつも右手で持つ」という方も注意したいところです。
特に肩掛けバッグの場合、バッグが落ちないように無意識に肩を持ち上げることがあります。その状態が続けば、片側の肩や首まわりに負担が集中しやすくなると言われています。
たまには左右を入れ替えたり、荷物が重い場合にはリュックを活用したりするのも一つの方法でしょう。
座り方や立ち方に左右差がある
椅子に座るとき、いつも同じ足を組んでいませんか?
立っているときも、右足ばかりに体重を乗せている方がいます。
体は肩だけで独立しているわけではありません。骨盤や背中の位置が偏れば、その上にある肩や首にも左右差が生まれることがあります。
たとえば鏡の前で自然に立ったときに「右肩だけ少し上がっている」と気づく方もいるでしょう。
肩だけを揉むのではなく、普段どのように座っているのか、どちらの足に体重を乗せることが多いのかまで振り返ることが大切です。
猫背や前かがみの姿勢が続いている
パソコンやスマホを使用していると、どうしても前かがみになりやすいものです。
頭が前に出た姿勢では、首や肩まわりの筋肉に負担がかかりやすいと言われています。日本整形外科学会でも、長時間同じ姿勢を続けることを避けることが肩こりの予防として紹介されています。
さらに右手でマウスを操作していれば、前かがみ姿勢と右腕の使用が重なります。
その結果、「両肩ではなく右だけつらい」という状態につながる可能性もあるでしょう。
枕や寝る姿勢によって右肩に負担がかかっている
起床時に右肩や首がつらい方は、寝方も確認してみてください。
いつも右側を下にして横向きで寝ている場合、右肩に体重がかかった状態が長く続いていることがあります。
また、枕が高すぎたり低すぎたりすると、首が不自然な角度になりやすいとも言われています。
ただし、「右肩がこるから枕が原因」と簡単に決めることはできません。日中はどうなのか、朝だけなのかなど、症状が出るタイミングとあわせて確認してみましょう。
引用元:日本整形外科学会「肩こり」
右だけの肩こりで考えられる病気や体のトラブル
右側だけ肩がつらい場合、多くは姿勢や筋肉への負担などが関係していると考えられます。
とはいえ、すべての肩の違和感を「ただの肩こり」と考えてよいわけではありません。
ここでは、右肩周辺に症状が現れる際に確認しておきたい代表的な体のトラブルを紹介します。
頚椎症性神経根症
肩だけでなく、首から腕、手にかけて痛みやしびれが広がっている場合に考えられるものの一つが頚椎症性神経根症です。
日本整形外科学会によると、頚椎症性神経根症では肩から腕の痛みが生じ、腕や手指にしびれが現れることも多いと言われています。また、症状によっては腕の筋力低下や感覚の異常が生じる場合もあるとされています。
「肩が重たい」だけであれば一般的な肩こりとの区別は簡単ではありません。
しかし、「右手までピリピリする」「物を持つと右手だけ力が入りにくい」といった症状が加わっている場合には、無理に肩を揉み続けるのではなく、整形外科などの医療機関へ相談することが大切です。
頚椎椎間板ヘルニア
首には頚椎と呼ばれる骨が並び、その間には椎間板があります。
この椎間板が突出して神経に影響すると、首や肩だけでなく腕などにも症状が現れることがあると言われています。
日本整形外科学会でも、頚椎椎間板ヘルニアは首周辺の代表的な疾患の一つとして紹介されています。
「肩こりだと思っていたけれど、最近は腕まで痛くなってきた」という場合には、肩だけの問題とは限りません。
症状が長引いている場合は、医療機関で必要な検査を受けることも検討しましょう。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
右肩を上げたときに強く痛む、服を着替えるときに腕を後ろへ回しづらいといった場合は、いわゆる四十肩・五十肩が関係していることもあります。
日本整形外科学会によると、五十肩では肩関節周辺に痛みが生じ、関節の動きが悪くなる場合があると言われています。
一般的な肩こりは「肩が張っている」「重たい」といった感覚が中心ですが、五十肩では肩関節そのものを動かしづらくなるケースもあります。
特に夜間の痛みが強かったり、腕を上げる動作が難しかったりする場合には注意してください。
腱板断裂など肩関節周辺のトラブル
肩関節周辺には、肩を動かすために重要な腱板と呼ばれる組織があります。
腱板に問題が生じた場合も、片側の肩に痛みを感じることがあります。
日本整形外科学会では、肩腱板断裂では腕を上げたときの痛みや夜間痛などがみられるケースがあるとされています。
「肩こりだからたくさん動かしたほうがいいだろう」と無理にストレッチすると、症状によっては負担になることも考えられます。
いつもの肩こりとは明らかに違う強い痛みがある場合には、自己判断だけで対応しないようにしましょう。
右肩への関連痛を伴う内臓疾患
ネットで「肩こり 右だけ」と調べると、「右肩が痛いのは肝臓が悪いから?」といった情報を目にすることがあります。
ここは誤解しやすいポイントです。
右肩がこっているという症状だけで、内臓疾患があるとは言えません。
一方、日本消化器病学会では、急性胆のう炎などでは右の肋骨付近からみぞおちに強い痛みが起こり、その痛みが右背中や右肩まで広がる場合があるとされています。発熱を伴うケースもあると言われています。
つまり、「慢性的に右肩がこる」という状態と、「急な腹痛などと一緒に右肩まで強く痛む」という状態は分けて考える必要があります。
肩以外にも明らかな体調変化がある場合には、肩こりとして済ませないことが重要です。
引用元:日本消化器病学会「消化器のひろば」
右だけの肩こりと病気を見分けるために確認したい症状
「じゃあ、自分の右肩こりは大丈夫なの?」
ここが一番気になるところですよね。
肩こりだけから原因を特定するのは簡単ではありませんが、ほかにどんな症状が出ているかを確認することは大切です。
肩を動かすと痛みが強くなる
腕を上げたり後ろへ回したりしたときに強い痛みが出る場合は、肩関節周辺の問題が関係している可能性があります。
いつもの肩こりではなく、「この角度だけ痛い」「腕が上がらない」と感じる場合には、その状態を覚えておきましょう。
首から右腕・手まで痛みやしびれが広がる
右肩だけでなく、腕や手指まで痛みやしびれが広がる場合は注意が必要です。
頚椎症性神経根症では、肩から腕の痛みや手指のしびれがみられることがあると言われています。
単なる筋肉の張りとは原因が異なる可能性があるため、症状が続く場合には医療機関に相談してください。
右腕に力が入りにくい
「右手でペットボトルを持ちづらくなった」「右手だけ細かい作業がしづらい」
このような変化がある場合も、放置しないことが大切です。
特にしびれや感覚の違和感を伴っているときは、首から腕へ向かう神経が関係している可能性も考えられます。
夜や安静時にも強く痛む
日中の仕事が終わると肩が重い、という状態とは違い、寝ているときにも強く痛む場合があります。
五十肩や肩腱板断裂、石灰沈着性腱板炎などでは、夜間に肩の痛みが強くなるケースがあると言われています。
「寝返りを打つたびに目が覚める」「何もしていないのにズキズキする」といった場合には、早めに専門家へ相談したほうがよいでしょう。
肩だけでなく腹痛・発熱など別の症状もある
右肩の違和感と同時に、激しい腹痛、発熱、吐き気など明らかに肩とは別の症状が出ている場合は注意してください。
前述したように、胆のう周辺の問題では右肩に痛みが広がるケースがあると言われています。
普段の肩こりと明らかに様子が違う場合には、肩を揉んで様子を見るだけで済ませず、医療機関へ相談しましょう。
長期間続いたり徐々に悪化したりしている
右肩だけの違和感が数日ではなく長く続き、少しずつ症状が強くなっている場合も確認が必要です。
特にセルフケアを続けても変化がない、痛みの範囲が広がっている、腕を動かしづらくなっているといった場合には、原因を確認することが大切になります。
右だけの肩こりを和らげるために自宅でできる対処法
病気を疑うような症状がなく、日常生活による肩こりが考えられる場合には、普段の過ごし方を見直してみましょう。
大切なのは、右肩だけを強く揉み続けることではありません。
「なぜ右側に負担が偏っているのか」を探すことがポイントです。
長時間同じ姿勢を続けずこまめに体を動かす
デスクワークをしていると、気づけば1~2時間ほとんど同じ姿勢だった、ということもありますよね。
日本整形外科学会では、肩こりの予防として同じ姿勢を長時間続けないことが紹介されています。
仕事に集中していると忘れやすいため、一定時間ごとに立ち上がるなど、自分なりのルールを作ってみるのもよいでしょう。
首や肩を無理のない範囲でストレッチする
慢性的な肩の張りを感じている場合は、首や肩をゆっくり動かしてみる方法があります。
ここで大切なのが「気持ちいい範囲」に留めることです。
強く引っ張ったり、反動をつけたりする必要はありません。
痛みやしびれが強くなる場合にはストレッチを中止し、専門家へ相談してください。
肩甲骨まわりをゆっくり動かす
デスクワーク中は腕を前に出した状態が続くため、肩甲骨の動きが少なくなることがあります。
両肩をゆっくり後ろへ回したり、胸を軽く開いたりして、無理のない範囲で肩甲骨を動かしてみましょう。
右だけ動かすのではなく、左右を同じように動かすことも意識したいポイントです。
入浴や蒸しタオルで肩まわりを温める
日本整形外科学会では、肩こりの予防方法として蒸しタオルなどで肩を温めることや、入浴して体を温めることも紹介されています。
お風呂ではスマホを見続けず、肩までゆっくり温まる時間を作ってみるのもよいでしょう。
ただし、突然の激しい痛みや腫れ、熱っぽさがある場合などは、自己判断で温め続けないようにしてください。
パソコンやデスクの高さを見直す
右肩こりを繰り返している方は、「自分の姿勢」だけでなく作業環境も確認してみましょう。
マウスが遠すぎると、操作するたびに右腕を前へ伸ばさなければなりません。
モニターが横にずれていれば、一日中同じ方向へ首を向けている可能性もあります。
パソコン画面、椅子、机、マウスの位置を調整し、できるだけ左右差が出にくい環境を作ることが大切です。
バッグ・スマホなど右側ばかり使う習慣を見直す
右肩だけが気になる場合は、一日だけでも自分が「右側を何回使っているか」を観察してみてください。
バッグを持つ。スマホを持つ。子どもを抱っこする。買い物袋を持つ。
こうした何気ない動作が、ほぼ右側に集中していることがあります。
すべてを左に変える必要はありませんが、左右を適度に使い分けることで一方だけに負担が集中しにくくなるでしょう。
引用元:日本整形外科学会「肩こり」
右だけの肩こりが続く場合は医療機関への相談も検討しよう
右だけ肩こりがあるからといって、すぐに重大な病気を心配する必要はありません。
ただし、「いつもの肩こりと違う」と感じる症状がある場合には話が変わります。
最後に、医療機関へ相談する目安を確認しておきましょう。
セルフケアを続けても肩こりが改善しない
作業環境を見直したり、適度に体を動かしたりしても右肩だけの症状が長く続く場合には、一度専門家へ相談することを考えてみてください。
肩こりだと思っていても、首や肩関節など別の場所が関係しているケースもあります。
原因を自分だけで決めつけないことが大切です。
痛みやしびれが腕・指先まで広がっている
肩だけではなく、腕や手指まで症状が広がっている場合は医療機関への相談を検討しましょう。
日本整形外科学会では、頚椎症性神経根症によって肩から腕の痛みや、手指のしびれがみられることがあるとされています。
右腕に力が入らない・細かい動作がしづらい
単なる「肩が重たい」という状態に加えて、力が入りづらい、物を落としやすくなったなどの変化がある場合は注意してください。
神経などが関係している可能性もあるため、整形外科などで相談することが大切だと言われています。
肩が上がらない・夜も眠れないほど痛む
肩関節の動きが大きく制限されていたり、夜間の痛みによって睡眠が妨げられたりする場合には、一般的な肩こりとは異なる可能性があります。
五十肩や肩腱板断裂、石灰沈着性腱板炎などでも肩の痛みや動かしづらさが生じる場合があるとされています。
無理に肩を回し続けず、医療機関へ相談してください。
急に強い痛みが出た場合は無理に揉まない
「肩こりなら揉めば楽になる」と思う方もいるでしょう。
しかし、突然強い痛みが出た場合には、原因が筋肉のこりとは限りません。
強く揉んだり無理にストレッチしたりすると負担になる可能性があるため、いつもと明らかに違う痛みが出たときには無理をしないようにしてください。
気になる症状がある場合はまず整形外科へ相談する
肩こりに加えて腕や手のしびれ、肩関節の強い痛み、腕が上がらないなどの症状がある場合には、まず整形外科などで相談する方法があります。
日本整形外科学会でも、肩こりには頚椎椎間板ヘルニアや五十肩など原因となる疾患が存在する場合があり、原因疾患が考えられる際には整形外科医への相談が案内されています。
また、腹痛や発熱など肩とは別の症状を伴っている場合には、それらの症状についても医療機関へ伝えましょう。
「右だけだから危険」「肩こりだから大丈夫」どちらか一方に決めつける必要はありません。
右だけ肩こりを感じる場合には、まずデスクワークやスマホ、バッグの持ち方、寝る姿勢など、日常生活の左右差を振り返ってみてください。
そのうえで、しびれや筋力の低下、肩が上がらないほどの痛み、腹痛や発熱など普段とは違う症状がある場合には、早めに医療機関へ相談することが大切だと言われています。
「いつも右肩だけ重たいんだよな」と感じている方は、肩そのものだけを見るのではなく、一日の中で右側にどれくらい負担をかけているのかから見直してみてはいかがでしょうか。
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