ems効果

EMSの効果的な使い方とは?貼る位置・強度・頻度と注意点をわかりやすく解説

「EMSを買ってみたものの、正しい使い方がわからない」

「毎日使っているのに、思ったほど変化を感じない」

このような疑問を持っている方は少なくありません。EMSは、ただ体に装着して電源を入れれば、すぐに理想の体へ近づけるというものではありません。パッドを貼る位置や刺激の強さ、使用する頻度などによって、筋肉への刺激の入り方が変わります。

また、EMSにはさまざまな製品があり、家庭用と施術院などで使用される機器では、設定や目的が異なる場合があります。そのため、インターネット上で紹介されている使い方をそのまま試すのではなく、使用する機器の取扱説明書を確認することが大切です。

ここでは、EMSの効果的な使い方をはじめ、運動や食事との組み合わせ方、安全に使用するための注意点について紹介します。

EMSとは?効果的に使うために知っておきたい仕組み

EMSは電気刺激によって筋肉の収縮を促す機器

EMSは「Electrical Muscle Stimulation」の略称で、電気刺激を利用して筋肉の収縮を促す仕組みです。

通常、体を動かすときは、脳から神経を通して筋肉へ指令が送られます。一方、EMSでは皮膚に貼った電極から電気刺激を与え、筋肉が収縮するきっかけをつくります。

「自分で動いていないのに、筋肉がピクピクするのは大丈夫なの?」

初めて使った方は驚くかもしれません。ただし、機器が想定する範囲内で使用し、痛みや強い違和感がないのであれば、電気刺激によって筋肉が動いている可能性があります。

研究では、EMSや神経筋電気刺激によって筋力の向上が報告された例があります。ただし、対象者や使用方法、刺激条件にはばらつきがあり、どの設定がすべての人にとって最適なのかは明確になっていません。

EMSだけで大きく痩せるとは限らない

EMSを使う理由として、「お腹を引き締めたい」「体重を落としたい」と考える方も多いでしょう。

しかし、EMSを装着するだけで体脂肪が大幅に減ったり、急に腹筋が割れたりするとは限りません。米国食品医薬品局は、EMSが筋肉を一時的に引き締めたり、ある程度強化したりする可能性はある一方、食事管理や定期的な運動を行わずに、見た目を大きく変えることを裏付ける十分なデータはないと説明しています。

「じゃあ、EMSを使っても意味がないの?」

そういうわけではありません。忙しくて運動の時間を取りにくい方や、普段意識しにくい筋肉へ刺激を加えたい方にとって、EMSは体づくりを補助する選択肢の一つです。

大切なのは、EMSを万能な機器として考えるのではなく、運動や食事、日常生活を支える補助的な方法として取り入れることです。

家庭用EMSと施術院で使用する機器の違い

家庭用EMSは、自宅で扱いやすいように設計されており、ベルト型やパッド型など、さまざまな種類があります。操作が簡単な製品が多い反面、刺激の強さやプログラムは製品によって異なります。

施術院や医療・リハビリテーションの現場で使用される電気刺激機器は、筋肉の再教育や筋萎縮の予防など、特定の目的に利用されることがあります。FDAも、専門家の管理下で使用される機器の目的として、筋肉の再教育や関節可動域の維持などを挙げています。

見た目が似ていても、すべてのEMSが同じ出力や目的を持つわけではありません。まずは自分が使用している製品の対象部位や使用目的を確認しましょう。

EMSの効果を引き出す基本的な使い方

パッドは狙いたい筋肉に合わせて貼る

EMSを効果的に使ううえで、特に重要なのがパッドを貼る位置です。

たとえば、お腹に使いたいのにパッドが腹筋から大きく外れていると、狙った場所へ十分な刺激が伝わりにくくなります。また、左右で位置がずれていると、一方だけ刺激が強く感じられることもあります。

「少しずれていても、電気が流れれば問題ないですよね?」

電気刺激を感じていても、目的としている筋肉へ適切に届いているとは限りません。製品に付属している貼り付け位置の図を確認し、筋肉の位置に合わせて左右のバランスを整えましょう。

ただし、体格や製品によって適した貼り方は異なります。関節や骨の出っ張りへ適当に貼るのではなく、必ず取扱説明書に記載された場所を守ってください。

使用前に汗や汚れを拭き取る

パッドを貼る前には、肌の汗や水分、ボディクリームなどをやさしく拭き取ります。

肌が濡れていたり、油分が残っていたりすると、パッドが浮きやすくなる場合があります。電極の一部分だけが肌に触れている状態では、刺激に偏りが出たり、ピリピリとした不快感につながったりする可能性があります。

パッドの粘着力が弱くなっている場合は、メーカーが定める方法で手入れを行うか、適切な時期に交換しましょう。指定されていないパッドを自己判断で取り付けるのは避けます。FDAの機器向けガイダンスでも、メーカーが推奨する電極やコードを使用することが示されています。

強度は弱めから少しずつ上げる

EMSを初めて使うときは、刺激を弱めに設定し、体の反応を見ながら少しずつ強くします。

よくある勘違いが、「痛いほど強くした方が効果的」という考え方です。

「筋トレもきついほど効くから、EMSも限界まで上げた方がいいですよね?」

そうとは限りません。強い刺激によって筋肉が大きく動いていても、痛みを我慢しながら続ける必要はありません。強度を上げすぎると、筋肉への過剰な負担や皮膚の痛みにつながる可能性があります。

筋肉が収縮している感覚はあるものの、痛みや強い不快感はない範囲を目安にしてください。ヒリヒリする、電気が刺さるように痛い、気分が悪いといった場合は、すぐに停止してパッドの状態や位置を確認しましょう。

使用時間は取扱説明書を基準にする

EMSは長時間使えば使うほど効果が高くなるわけではありません。

製品ごとに刺激の周波数や強さ、休止時間などが異なるため、「必ず何分使えばよい」と一律には決められません。使用時間については、機器に設定されたプログラムと取扱説明書を基準にします。

「物足りないから、同じ部位に連続で何回も使ってもいいですか?」

最初から連続使用するのはおすすめできません。筋肉が疲れている状態で刺激を繰り返すと、だるさや筋肉痛が強くなる場合があります。

まずは指定された時間を守り、使用後の体調を確認しましょう。翌日まで強い疲労感が残る場合は、強度や頻度が合っていない可能性があります。

同じ部位へ使いすぎない

EMSで筋肉が収縮すると、何もしていないように見えても、筋肉には刺激が加わっています。

そのため、同じ部位を何度も刺激し続けるのではなく、疲労や筋肉痛の状態を見ながら休ませることも必要です。

毎日使用できるかどうかは製品によって異なります。「別のEMSでは毎日使えると書いてあったから」と判断せず、自分が使用する機器の説明に従いましょう。

EMSを使用する部位ごとのポイント

お腹に使う場合

お腹は、家庭用EMSでよく使用される部位です。

パッド型の場合は、腹部の左右へバランスよく配置し、浮きやしわがないように密着させます。ベルト型の場合も、体の中心から大きくずれないように装着しましょう。

使用中に腰が反りすぎたり、体がねじれたりすると、刺激に左右差が出ることがあります。椅子に座る場合は足の裏を床につけ、寝て使用する場合は楽な姿勢を選びます。

EMSで腹筋が刺激されていても、それだけでお腹の脂肪が狙った場所から落ちるとは限りません。ウエストまわりをすっきりさせたい場合は、食事の見直しやウォーキングなども一緒に取り入れましょう。

太ももに使う場合

太ももは筋肉の面積が大きく、前側、内側、外側、裏側で働きが異なります。

そのため、「脚を鍛えたいから、とりあえず太ももへ貼る」という使い方では、目的とする筋肉から外れる可能性があります。太ももの前側を刺激したいのか、裏側を刺激したいのかを決め、説明書の図に従って配置してください。

太ももへEMSを使用すると、想像以上に脚が動くことがあります。使用中は転倒を防ぐため、立ったままではなく、安定した姿勢で行いましょう。

お尻に使う場合

お尻の筋肉は、歩行や階段の上り下り、姿勢の安定に関わります。

ただし、お尻は脂肪の厚みやパッドの位置によって、刺激の感じ方に差が出やすい部位でもあります。刺激を感じにくいからと、すぐに最大強度へ上げるのは避けましょう。

座った状態ではパッドが圧迫されたり、ずれたりする可能性があります。製品が指定する姿勢を確認し、コードを体の下に挟まないよう注意してください。

腕や二の腕に使う場合

腕へ使用する場合は、肘などの関節をまたぐような貼り方を避け、取扱説明書で指定された筋肉の位置へ装着します。

腕は細く、パッド同士の間隔が狭くなりやすいため、重ならないように注意が必要です。また、使用中にスマートフォンを持ったり、家事をしたりすると、予想せず腕が動く場合があります。

「ながら使いがEMSのメリットではないの?」

テレビを見るなど、転倒や事故につながらない状況であれば取り入れやすいでしょう。ただし、運転や機械の操作など、筋肉が急に収縮すると危険な場面では使用しないでください。

EMSの効果を高める運動・食事・生活習慣

EMSと筋力トレーニングを組み合わせる

EMSを体づくりへ取り入れる場合は、可能な範囲で自分の意思による運動も行いましょう。

スクワットやヒップリフト、軽い腹筋運動などを行うと、自分で筋肉を動かす感覚を身につけやすくなります。EMSと筋力トレーニングを組み合わせた研究もありますが、研究ごとに刺激条件やトレーニング内容が異なり、最適な方法は統一されていません。

大事なのは、刺激を強くすることではなく、続けられる運動を選ぶことです。

「運動が苦手なので、いきなり筋トレはきついです」

その場合は、椅子からゆっくり立つ運動や、短時間のウォーキングから始めても構いません。EMSだけに頼るのではなく、少しずつ自分で動く時間を増やしていきましょう。

ウォーキングなどの有酸素運動も取り入れる

体脂肪を減らしたい場合は、日々の活動量も重要です。

通勤時に少し遠回りをする、エレベーターではなく階段を選ぶ、夕食後に散歩するといった方法でも、活動量を増やせます。

ただし、EMSを装着したまま運動できるかどうかは、製品によって異なります。運動との同時使用が想定されていない機器を、自己判断で使いながら走るのは避けてください。

食事を極端に減らさない

お腹を引き締めたいからといって、食事を急激に減らす必要はありません。

食事量を極端に制限すると、体調を崩したり、運動を続けるためのエネルギーが不足したりする可能性があります。主食、主菜、副菜を意識しながら、肉や魚、卵、大豆製品などもバランスよく取り入れましょう。

また、EMSを使った後だけ特別な食品を食べれば効果が高まるとは限りません。1回の食事だけにこだわるのではなく、普段の食生活全体を整えることが大切です。

睡眠と休息も意識する

筋肉への刺激を増やすことばかり考え、休む時間を減らしてしまう方もいます。

しかし、疲労が強い日に無理をしてEMSを使ったり、筋力トレーニングを続けたりすると、体へ負担がかかります。

寝不足の日や体調が悪い日は、設定を弱くするのではなく、使用そのものを休む判断も必要です。決めた回数を必ずこなすことよりも、体調に合わせて無理なく継続することを優先しましょう。

EMSで効果を感じにくい原因と使用時の注意点

パッドの位置や密着状態が合っていない

EMSを使っても刺激を感じにくい場合は、機器の故障を疑う前にパッドの状態を確認しましょう。

パッドが肌から浮いている、粘着面が乾燥している、コードが奥まで差し込まれていないといった理由で、刺激がうまく伝わらない場合があります。

左右のパッドを入れ替えたり、説明書を見ながら貼り直したりしても改善しない場合は、メーカーや販売店へ確認してください。

短期間で大きな変化を求めている

数回使用しただけで、筋肉量や体型が大きく変わるとは限りません。

研究で筋力の変化が報告されている場合も、一定期間にわたって繰り返し使用されています。また、研究結果には対象者や機器、刺激方法による違いがあります。

「1週間使ったけれど、見た目が変わりませんでした」

それだけでEMSが合っていないとは判断できません。見た目だけでなく、運動を続けやすくなったか、体を動かす意識が高まったかなども確認してみましょう。

強度を上げることが目的になっている

EMSを使い続けると刺激に慣れ、最初より強く設定できるようになることがあります。

ただし、数字を上げること自体が目的ではありません。強度が高くても、パッドの位置がずれていたり、痛みに耐えながら使用していたりすれば、適切な使い方とはいえません。

痛み、皮膚の赤み、かゆみ、腫れ、強い筋肉痛などが出た場合は使用を中止してください。EMSでは、皮膚刺激や電極部分のやけどなどが報告されています。

EMSを避けるべき場合がある

EMSは誰でも、どの部位にでも使用できるわけではありません。

心臓ペースメーカーなどの植込み型医療機器を使用している方は、機器への干渉が起こる可能性があります。また、首の前側、胸部を横切る配置、腫れや炎症、感染、皮膚トラブルがある場所などには、電気刺激を加えるべきではないとする注意事項があります。妊娠中の安全性についても、十分に確立されていないとされています。

心臓の病気、てんかん、感覚障害、最近の手術や骨折などがある方も、自己判断で使用しないようにしてください。

日本国内で販売されている製品については、製品ごとに禁忌や注意事項が定められています。持病がある方や妊娠中の方、使用に不安がある方は、事前に医師や専門家へ相談しましょう。

EMSを安全に続けるために

EMSの効果的な使い方は、単純に刺激を強くしたり、使用時間を長くしたりすることではありません。

狙いたい筋肉へ正しくパッドを貼り、痛みのない強度で使用し、運動や食事、睡眠なども含めて体づくりを考えることが重要です。

「結局、いちばん大事なのは何ですか?」

まずは取扱説明書を守ることです。そのうえで、体調や目的に合った使い方を無理なく続けましょう。

どこへパッドを貼ればよいかわからない、刺激の強さが適切かわからない、持病があって使用してよいか不安という場合は、自己判断で進めず、医師や施術者、製品メーカーへ相談してください。

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監修者情報
監修者情報

からだ接骨院グループ 代表

粟田 裕太朗あわた ゆうたろう

株式会社Rieden代表。
学生時代の陸上でのケガをきっかけに、整骨院の親身なサポートに感銘を受け治療家の道へ。痛みの解消はもちろん、「痛みの出ない身体づくり」を追求し、根本原因である姿勢に着目した独自の矯正法を考案。

24歳で開業後、14年で25店舗を展開。「日本を整する」という理念を掲げ、一人でも多くの方に健康的な幸せを届けるため、全国で事業を展開している。

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