指がつるのは何不足?マグネシウム・カリウムなどの原因と対策をわかりやすく解説
「最近、なぜか指がよくつる」
「指がつるのは何不足なんだろう?」
「マグネシウムを取ればいいって聞いたけれど、本当?」
突然、指がギュッと曲がったまま戻しづらくなったり、手のひらから指にかけて痛みを感じたりすると不安になりますよね。足がつる経験はあっても、「指までつるの?」と驚く方も少なくありません。
指がつると「栄養不足では?」と考えがちですが、実際には一つの栄養素だけで説明できるとは限らないと言われています。
マグネシウムやカリウム、カルシウムなどのミネラルは筋肉や神経の働きに関係しています。一方、水分不足、手の使いすぎ、冷え、薬の影響などが関係する場合もあると言われています。
そこで今回は、「指がつるのは何不足?」という疑問を入り口に、栄養との関係から普段の生活で意識したいことまで整理していきます。
目次
1.指がつるのは何不足?まず考えたい栄養素
まず一番気になるところから見ていきましょう。
「結局、何が不足しているの?」
という質問に対しては、マグネシウム・カリウム・カルシウムなどのミネラルや、水分が関係している可能性があると言われています。
ただし、「指がつった=マグネシウム不足」と一つだけに決めつけることはできません。
マグネシウム不足との関係
指がつるときによく名前が挙がる栄養素が、マグネシウムです。
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、マグネシウムは体内のさまざまな代謝に関わるミネラルで、筋肉の収縮や神経情報の伝達にも関係していると言われています。また、穀類、豆類、種実類、野菜類、藻類など幅広い食品に含まれています。
つまり、
「最近、食事がコンビニのおにぎりだけになっている」
「忙しくて食事を抜くことが増えた」
「ダイエット中で食べる量をかなり減らしている」
といった生活が続いている場合は、マグネシウムを含めた栄養バランス全体を見直すことが大切だと言えそうです。
ただし、指がつる症状だけを見て「自分はマグネシウム不足だ」と判断することはおすすめできません。
引用元:厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」
カリウム・カルシウムなどのミネラルも関係する
マグネシウムだけでなく、カリウムやカルシウムも筋肉や神経の働きに関係していると言われています。
厚生労働省によると、カリウムは体液の状態を整えるだけでなく、神経や筋肉の興奮伝導にも関与しています。野菜、果物、肉、牛乳・乳製品など、さまざまな食品から摂取できる栄養素です。
カルシウムについても、骨や歯だけに使われているわけではありません。血液や筋肉、神経にも存在し、筋肉の収縮や神経の興奮性に関係していると言われています。
「カルシウムは骨のための栄養素じゃないの?」と思っていた方もいるかもしれません。
実際には、筋肉を動かす仕組みに複数のミネラルが関わっています。そのため、一種類の栄養素だけを大量に取るより、普段の食事全体を整えることが重要だと考えられます。
引用元:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」「カルシウム」
水分不足による電解質バランスの乱れにも注意
栄養だけではなく、水分も忘れてはいけません。
筋肉のけいれんは、脱水状態や血液中のカリウム・マグネシウム・カルシウムなどの電解質濃度が低下したときに起こりやすくなる場合があると言われています。
特に、
・暑い日にたくさん汗をかいた
・スポーツをした
・長時間水分を取っていなかった
・下痢や嘔吐が続いていた
といった状況では、体内の水分と電解質が失われている可能性があります。
「食事は普通なのに、今日だけ急に指がつった」という場合は、その日の水分量や発汗量も振り返ってみるとよいでしょう。
引用元:MSDマニュアル家庭版「筋肉のけいれん」
2.なぜ栄養や水分が不足すると指がつりやすくなる?
では、そもそも指が「つる」とき、体の中では何が起きているのでしょうか。
指がつるのは筋肉が意図せず収縮している状態
一般的に「つる」と表現される症状は、筋肉が突然、自分の意思とは関係なく収縮する筋肉のけいれんに当たると言われています。MSDマニュアルでは、筋肉のけいれんを、突然起きて短時間続く不随意な筋肉の収縮として説明しています。
指を動かすときには、指そのものだけではなく、手のひらや前腕にある筋肉も使っています。
例えばパソコン作業。キーボードを打っているだけに見えても、指を浮かせたり曲げたり、細かく動かしたりする動作を何時間も繰り返しています。
スマートフォンも同じです。親指だけで画面を長時間操作していれば、特定の筋肉に負担が集中することがあります。
そこに水分不足や疲労などが重なると、指がつるきっかけになることがあると言われています。
ミネラルは筋肉と神経の働きに関係している
筋肉は、神経から送られてくる情報を受けて収縮したり緩んだりしています。そこで重要になるのが、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの電解質です。
例えばカリウムは神経や筋肉の興奮伝導に関係し、カルシウムは筋肉の収縮や神経の興奮性に関係すると言われています。マグネシウムについても筋肉の収縮や神経情報の伝達に関わっています。
そのため、電解質の状態が大きく乱れたときに筋肉のけいれんが起こる場合があると言われています。
ここで大事なのは、「一つだけ多く取ればよい」という話ではないことです。マグネシウムだけを意識するのではなく、主食、主菜、副菜をある程度そろえながら、さまざまな食品を食べることが基本になります。
汗をかいた後や食生活が乱れているときは注意
夏場や運動後に指や足がつった経験のある方もいるのではないでしょうか。
汗を大量にかくと、水分だけでなく体内の電解質も失われます。MSDマニュアルでも、体液の喪失に伴って電解質が失われ、筋肉のけいれんにつながる場合があると説明されています。
また、普段から食事の回数が少ない方や極端な食事制限をしている方は、一種類だけではなく複数の栄養素が不足する可能性があります。
「何のサプリを飲めばいい?」と考える前に、
「昨日と今日、ちゃんと食べていたかな?」
「水分は取れていたかな?」
「最近かなり疲れていなかったかな?」
と生活全体を確認してみることも大切です。
3.指がつる原因は栄養不足だけではない
「ミネラルを取っているのに指がつる」そんな方もいるでしょう。
実は、指がつる原因として考えられるのは栄養不足だけではないと言われています。検索上位の記事でも、水分不足、筋肉疲労、血行不良、冷え、神経、薬など複数の要因が紹介されています。
スマホ・パソコン・細かい作業による筋肉疲労
手を長時間使った日の夜にだけ指がつる場合は、筋肉疲労も一つの候補になります。
例えば、
・スマートフォンを長時間操作した
・パソコンで何時間も文字入力した
・ゲームを長時間した
・料理や裁縫など細かい手作業を続けた
・工具を握り続けた
こうした動作では、指や前腕の筋肉を繰り返し使います。
「今日は手を使いすぎたな」と思う日は、作業の合間に手を休ませ、軽く指を開いたり前腕を伸ばしたりするとよいでしょう。
強く揉んだからといって必ず改善するわけではありません。痛みが強い場合は、無理に刺激を加えないようにしてください。
手の冷えや血流低下
寒い場所に長くいたときや、冷房で手が冷え切ったときに指がこわばることがあります。検索上位の指のつりに関する記事でも、冷えや血流低下が要因の一つとして説明されています。
冬だけではありません。夏でも冷房の効いた室内で長時間パソコンを使っていると、手先が冷えていることがあります。
そんなときは、手だけを急激に熱くするのではなく、室温を調整したり、入浴で全身を温めたりする方法も考えられます。
薬の影響や体の状態が関係する場合もある
何度も繰り返す筋肉のけいれんでは、薬や体の状態が関係する場合もあると言われています。
MSDマニュアルでは、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症、甲状腺機能の問題、一部の薬剤などが筋肉のけいれんの原因または一因になる場合があると説明されています。
そのため、「サプリを飲んだけど変わらない」「以前より明らかに頻度が増えた」という場合は、栄養不足だけを原因と考え続けないことが大切です。
特に薬を服用している方は、自己判断で薬を中止せず、処方した医療機関や薬剤師へ相談しましょう。
引用元:MSDマニュアル家庭版「筋肉のけいれん」
4.指がつったときの対処法と不足を補う食生活
実際に指がつったときは、「早く戻さなきゃ」と思って、反対方向へ勢いよく引っ張りたくなるかもしれません。しかし、無理に動かす必要はありません。
無理に曲げずゆっくり指と前腕を伸ばす
筋肉のけいれんが起きたときは、けいれんしている筋肉をゆっくり伸ばすことで楽になる場合があると言われています。
指の場合は、「痛いけれど我慢して思い切り反らす」のではなく、呼吸を止めず、動かせる範囲でゆっくり伸ばしてみましょう。
指だけでなく前腕まで疲れている場合には、肘を伸ばした状態で手首をゆっくり伸ばす方法もあります。
ただし、強い痛みや腫れがある、外傷直後であるといった場合は、単純な筋肉のけいれんとは限りません。無理にストレッチを続けるのは避けましょう。
こまめな水分補給を意識する
普段から「喉が渇いてから一気に飲む」という方は、水分を取るタイミングを見直してみてもよいでしょう。
特に運動中や暑い環境では、汗によって水分や電解質が失われる場合があります。筋肉のけいれんの予防策として、運動後の十分な水分補給が挙げられています。
デスクワークでも意外と忘れがちです。朝にコーヒーを飲んで、そのまま夕方までほとんど水分を取っていない、という日もありますよね。
机の上に飲み物を置いておくなど、「飲むことを忘れない仕組み」を作るのも一つの方法です。
マグネシウム・カリウム・カルシウムを食事から取り入れる
「じゃあ、何を食べればいいの?」という方のために、普段の食事に取り入れやすい食品を整理します。
マグネシウムは、豆類、種実類、穀類、野菜類、藻類などに含まれています。カリウムは野菜、果物、肉類、牛乳・乳製品など幅広い食品に含まれ、カルシウムは牛乳・乳製品や小魚などから摂取しやすいと言われています。
例えば朝食なら、納豆+ご飯+みそ汁+ヨーグルト。昼食なら、おにぎりだけではなく、野菜や豆類を使った副菜をプラス。間食なら、量に注意しながらナッツ類を取り入れる。
このように、特別な「指がつらなくなる食べ物」を探すのではなく、普段の献立の種類を少し増やしていくほうが現実的です。
引用元:厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」「カリウム」「カルシウム」
サプリメントだけに頼りすぎない
「マグネシウム不足なら、サプリを多めに飲めばいい?」これは注意が必要です。
厚生労働省は、通常の食事からマグネシウムを取りすぎる可能性は低い一方、サプリメントや薬から過剰に摂取すると下痢を起こすことがあると説明しています。カルシウムについても、サプリメントによる過剰摂取には注意が必要とされています。
また、MSDマニュアルでは、筋肉のけいれんを予防する目的の多くのサプリメントについて、有効性が十分に証明されていないものがあると説明されています。
「指がつる=とりあえずサプリ」ではなく、まずは食事、水分、睡眠、手の使い方などを一緒に振り返ることをおすすめします。
5.指が何度もつる場合は何不足だけで判断しない
たまに一度だけ指がつる程度なら、疲労や水分不足など一時的な要因が関係しているケースもあると言われています。しかし、何度も繰り返す場合は話が変わります。
頻繁に繰り返す場合は原因を一度確認する
「週に何度もつる」「以前はなかったのに最近急に増えた」「手だけでなく別の場所も頻繁につる」こうした場合には、「何不足なのか」だけを考え続けるのではなく、医療機関へ相談して原因を確認することも大切です。
筋肉のけいれんが広い範囲に起きる場合などには、状態に応じて血糖値やカルシウム・マグネシウムなどの血中濃度、腎機能などを確認する検査が行われることがあると言われています。
自己判断だけで特定の栄養素を大量に取り続けるよりも、症状の頻度やほかの変化も含めて確認しましょう。
しびれや筋力低下などを伴う場合は医療機関へ相談する
指がつるだけではなく、
・手や腕に力が入りづらい
・感覚が鈍い、しびれる
・症状が広い範囲に出る
・大量の発汗、下痢、嘔吐のあとから症状が強い
・普段と明らかに違う強い症状がある
といった場合には注意が必要です。
MSDマニュアルでも、筋力低下や感覚の消失、体液を大量に失った後のけいれんなどは、医療機関への相談が必要になる場合があるとされています。
「ただの栄養不足だろう」と決めつけず、気になる変化があれば早めに相談してください。
引用元:MSDマニュアル家庭版「筋肉のけいれん」
日常生活でできる予防習慣を続ける
指がつりやすい方は、特別なことを一度だけするより、日常生活を少しずつ整えることが大切です。
まず、長時間のスマートフォンやパソコン作業では、ときどき手を休ませましょう。次に、水分をこまめに取ります。
そして、主食だけで食事を終わらせず、野菜、豆類、魚、乳製品など複数の食品を組み合わせることを意識してみてください。マグネシウム・カリウム・カルシウムなどは、それぞれ異なる食品から摂取できます。
睡眠や休息も忘れてはいけません。「昨日、手を使いすぎたな」と思ったら、翌日は少し休ませる。「今日は汗をかいたな」と思ったら、水分補給を意識する。そんな小さな調整を積み重ねていくほうが続けやすいでしょう。
まとめ|指がつるのは何不足?と感じたら栄養だけに原因を絞らないことが大切
「指がつるのは何不足?」と検索すると、マグネシウムという言葉をよく見かけます。確かに、マグネシウムは筋肉や神経の働きに関係する重要なミネラルです。ただし、カリウムやカルシウムなどの電解質、水分の状態も筋肉の働きに関係していると言われています。
さらに、指がつる原因は栄養だけとは限りません。スマホやパソコンによる手の使いすぎ、筋肉疲労、冷え、脱水、薬、体の状態など、複数の要因が関係している可能性があります。
まずは、食事が偏っていなかったか、水分を十分に取れていたか、手を長時間使っていなかったか、体が冷えていなかったか、このあたりから振り返ってみましょう。
一方で、何度も繰り返す、筋力低下やしびれを伴う、症状の範囲が広がっているといった場合には、「栄養不足だから」と自己判断せず、医療機関へ相談することをおすすめします。
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